遠い時を経て


10年前に行き違いやお互いの甘え、自分の最悪の精神状態
などのせいで絶縁した友達がいた。
ワタシが初めて一緒にバカやっても恥ずかしいとか思わず、
ただただ楽しい相手だった。
ぺっとりと甘えることができていた。
けれど、その頃、ワタシは自分を苦しめる恋をし、
生きるのに苦しみ、社会に適応できないこと、
思うように行かない人生に悩んでいたので
彼女を思いやる余裕が全くなかった。


彼女もまた、自分に自信のないところを必死で模索して
スピード結婚をして幸せをつかもうと一生懸命で
ワタシへ近づかなくなってしまった。


そのままワタシは恋愛から逃げたくて、一からやり直したくて
大学生から10年住んでいたその土地を後にして
福岡へ逃げるようにやってきた。


長い時を経て、昨年秋ごろに急に「彼女にすごく申し訳無いこと
した〜どうしても謝りたい〜」という気持ちがフツフツと
湧いてきて共通の友達で年賀状のやりとりだけの
関係になっているT先輩に年賀状で連絡先を尋ねた。


今日、先輩から彼女の連絡先を教えられて、「これは一瞬でも
躊躇すると一生掛けられないぞ」と思い、帰って即効
電話してみた。
いやあ緊張したっす。
そっけなくされても仕方が無い。でも、とにかく謝りたい
という思いだった。
彼女はとても喜んでくれた。信じられないと何度も口にした。
「10年間も私のこと考えてくれてたの?」と。
「10年も待たせてごめん(笑)」と照れ隠しに言っておいた。


彼女は彼女で、自分のせいでワタシに酷いことをしてしまった
と思っていたようだ。だから何のアクションも起こせなかったと。
そんなこともなかったと思うんだけど。


10年ぶりとは思えないテンションで話し続けた。
「また友達になれるの?」と聞かれて
「そんな〜何も変わらないよ」と返事をした。
たくさん嫌なこともあったけれど、楽しい思い出ばかりが
浮かんでくる。
人生最大の失恋でピンチの時もいつも一緒に居てくれた。
今すぐにでも会いたいと思う。


ワタシが電話をしなければ何も起こらなかったのだろう。きっと。
行動を起こした自分が好きだった。
人生長く生きる楽しさってこういうことなのかもしれない。
「お互い若かったよね」と笑って話せる相手がいるってのは
幸せなことだ。


こうして旧交を温め、昔の自分や環境を否定しなくなった所が
自分が大きく変わったところだなと思う。
決して相手ばかりが悪かったんじゃない。
自分が未熟だったからこそ起こったし、それも仕方がないと。
ここ数日旧友とのやりとりで気がついたこと。


人生まだまだ楽しいことが、可能性があるね!!